詩集『花もようの紙袋』



	花もようの紙袋



	花もようの紙袋をかかえて
	わたしは  電車に乗った

	席は  空いていたけど
	立っていた
	ドアと向きあって

	人と  目が合うのが
	怖かった
	紙袋を
	身体でかばって

	目は、外を見ていたけど
	全神経を
	袋に集中していた

	顔は赤くなり
	胸はドキドキした

	それでも  耐えられた
	なぜなら・・・・・・
	花もようの紙袋の
	いとおしい重み

	もうすこしよ
	おとなしくしててね

	駅へ向かう帰り道で
	ひろった
	うす茶色の仔犬