(年齢について)

 年齢について不安を感じている方が多いと思いますので、まずその件から。断言し ますが、年齢は若いほど有利です。私は当時29歳でしたが、「採用は27歳まで」と断 られた会社があります。27歳まではヤル気だけで入れますが、それ以上の年齢だとプ ラス・アルファの経験が必要で、更に35歳を超えると、ほとんどコネでもない限り難し いのではないでしょうか。


(情報収集方法)

 なんせ、情報がないので、情報収集方法の情報収集から始めなければいけないのが 実情です。その情報を提供しているこのページに出会った貴方はラッキーですね。随 分時間が節約できると思います。

 <主な情報源>
 @ 住宅新報社「月刊不動産鑑定」
 A 日本不動産鑑定協会のホームページの求人票
 B 同協会に備え付けの求人票
 C 資格受験予備校主催の事務所説明会

 また、私は、てっきり採用活動は合格発表後だと思っていましたので、出遅れてし まい、たいへんでした。2次試験が終わって1週間くらい休憩したら、合格している と信じて、就職活動を始めましょう。10月に入ってからだと、採用を終わっている会 社が結構あります。

 それと、鑑定業界でホームページを開設している会社はまだ少ないですから、各会 社の社風や仕事内容、業績などもわからず、これも困ります。私は、街づくりに何ら かの形で携わりたいという思いがあったので、再開発に実績がある会社ということで、 ある程度搾り込むことはできましたが、そういう思い入れのない方でしたら、これだ け情報がない現状では、会社を選ぶ余裕なんかなくて、最初に内定をくれた会社に入 るというのが実情でしょう。
 実際、私は特に会社のヴィジョンに拘っていたのですが、それを明確にご提示頂け たのは、今お世話になっている会社ともう1社くらいなものでしたね。
 そこで、せめて業績だけでも知りたいという場合には、

 D 都道府県庁備え付けの業者実績

を閲覧しましょう。


(面接の達人)

 不動産鑑定士2次試験に合格したらラクチン人生なんて、ア・マ・イ(^^;)。 これから鑑定士として食べて行くには、バリバリ営業しなくてはいけません。そこで、 就職活動の場で自分を売り込むことを通して、営業力を磨きましょう。
 そのためには・・・

 @ 売り物としての自分を把握する
   自分の商品に自信のない、更には自分の商品についてよく知らない
  営業マンから、顧客は何も購入しません。
 A 自分は不動産鑑定士として何がしたいのか方向を見定める
   仕事は漫然と待っていてもやって来ない。でも、自分が何をやりた
  いのかいろんな場面でアピールし続けると、人脈が繋がって自ずと活
  路が見出せるものです。
 B 顧客が何を欲しがっているのか知る
   市場経済下で食べて行くにはマーケティングが必須です。私の実感
  では、鑑定業界は、明るく素直な人、コツコツ頑張れそうな人、コン
  ピュータ経験があること、などが人材として望まれている印象を受け
  ました。

 それでは、以下、私が実際に面接の場面で聞かれた質問と、それに応えた私の回答を 掲載し、皆さんの参考にして頂きたいと思います。


(実践面接Q&A)

Q: 簡単に自己紹介(パソコンスキル、若者に負けない強み)
A: 平成10年度、2次試験合格のヒデクンと申します。10月第1週まで、(社)都市開発協会で勤務しておりました。
 新卒時は、電子楽器メーカーのローランド (株)に入社し、人事部配属、その後、父親の経営する不動産会社で賃貸営業を経験いたしました。
 職務遂行に当たっては誠実さを大切にしてまいりましたので、人事部時代は社員から、営業時代はお客様、都市開発協会では会員会社から、信頼を獲得してまいりました。人事では多くの営業マンから「早く営業に来い」と誘われ、営業では多くのお客様から「こんなに親切な不動産業者は初めて。不動産業者のイメージが変わった」とのお褒めの言葉を頂戴しました。
 また、いずれの職場でも、情報処理能力には定評があり、ローランド(株)では、リレーショナル・データベース・ソフトを駆使し、採用戦略システム構築した結果、採用業務を効率化、具体的には、常勤スタッフ3名→1名、経費50%節減を実現しました。また、MS-ACCESSによりOB会管理システムを構築しました。
 不動産営業では、地元初の会社ホームページを作成して、営業を展開。
 現在、個人のホームページを公開しています。
 アプリケーション・ソフトは、MS-OFFICE各アプリケーション(WORD、EXCEL、ACCESS、POEWR-POINT)、  富士通EPOC各アプリケーション(OASYS、GRAPH、CALC、CARD)、LOTUS1-2-3、一太郎、キャノワードなどが使用可能です。
 また、趣味の童話創作で、賞を獲得するなど、発想力を鍛錬しておりまして、仕事面では、問題発見・解決能力として生かされ、人事部で、本社内で改善提案ポイント1位(約250名中)で表彰を受けています。
 また、向上心があり、勉強・研究熱心で、労働省主催大阪労働大学で、労働大臣賞を受賞、宅建試験には独学で一発高得点合格(44点)、不動産鑑定士2次試験も500時間の独学で一発合格しています。
 また、常に最新情報の収集に力を入れており、不動産三田会会員(慶応義塾大学OBによる不動産業者団体)、不動産研究メーリング・リスト会員(不動産鑑定士・川端一郎先生主宰)、不動産メーリング・リスト会員(不動産鑑定士・磯部裕幸先生主宰)となっております。


Q: 鑑定士に興味を抱いたきっかけ(セールスポイント・夢・意気込みで、理論武装)
A: まず、第一に、なぜ不動産か。
 私は、複数の職を経験しておりますが、その中心には、いつも、「人を笑顔にする仕事がしたい」という思いがございました。当初は、創作童話あるいは楽器という、芸術面からのアプローチでしたが、自らの社会経験が深まるにつれ、もっとベーシックな、衣食住の分野で、「人が笑顔で生活する街を作りたい」と考えるようになってまいりました。
 すなわち、不動産こそ、「われわれの生活と活動にとって欠くことのできない一般的な基盤」であり、一生の仕事とするにふさわしいと考えるようになったわけです。
 では、第二に、なぜ鑑定評価か。
   1.専門性
     良い街づくりは、建築家など様々な専門家の磨き抜かれた能力
    が結集して、初めて実現できるものであり、私自身、いずれかの
    分野で専門家となり、その一翼を荷いたいと考えました。
   2.ロマン
     子供の時分から、将来、自分に子供ができたら、例えば「父さ
    んは大工さんだ」などと、固有の職業名を言えるスキルを身に付
    けたいと考えてきました。
   3.奥深さ
     不動産を知るためには、幅広い知識が必要であり、試験科目が
    5科目に及ぶ鑑定士2次試験の受験は、不動産理解のための基本
    的なツールを獲得する良い機会になると考えました。
   4.自己の特性
     私の友人達に、私の印象をヒアリングしたことがあるのですが、
    それを整理しますと、「物事の本質を見抜き、豊富な知識でバラ
    ンスのとれた判断を下し、強い意志で目的を達成していく、諸葛
    孔明のような男」とのことでございました。
     正にこれは、「高度な知識と豊富な経験及び的確な判断力を持
    ち、さらに、これらが有機的かつ総合的に発揮できる練達堪能な
    専門家である不動産鑑定士」に向いている人材であると、自分自
    身感じました。
   5.時代の要請
     都市再開発手法の多様化、不動産の証券化の進展、投資不動産
    の時価会計への趨勢、米国からの資産評価会社の進出など、不動
    産の鑑定評価は、現在も将来も、実にホットで取り組み甲斐のあ
    る仕事であると考えております。


Q: なぜ不動産鑑定士か簡単に。
A: 面白そうだからです。人を納得させるだけの合理性を持った判断を下すということに、面白味とやり甲斐を感じます。
 何らかの形で専門家になりたいという思いと、街づくりに関心を持ったことなどが相俟って、不動産鑑定士という資格に帰着したのだと思っています。
 数学が好きで、勉強熱心、情報収集熱心であることなどを総合すると、自分に向いている仕事だと思っています。


Q: 当社についての印象。
A: 夢と現実のバランスの取れた会社であるとの印象を持っています。
 「幸せは『山のあなたの空遠く』よりも、今、住んでいる町にある方がいい。鑑定評価の業務は、町づくりのほんの一部ですが、不可欠で、鍵を握っていると自負しています」というキャッチに惹かれました。
 私自身、「人がハーモニーを感じて笑顔で生活できる街づくり」の一翼を荷いたいと考えてきました。そしてこれは、私のロマンであると同時に、社会人として、これから金儲けしようと思ったら「共感」ビジネスだ、という認識を持っていることにもよっています。
 そのような私ですから、御社で専門性を磨き、御社の一層のご発展に寄与いたしたいと思いました。


Q: どのような不動産鑑定士になりたいか。
A: まず、補償や再開発での従前・従後の評価など、地権者の利害に直接関わる、一番しんどい部分で、辛い目を見ながら、しっかりと経験を積んで、足腰の強い、本格派の鑑定士になりたいと思っています。
 その上で、将来的には、他の分野の専門家と協力して、再開発全体をコーディネイトできるような、スキルを身に付けていきたいと考えています。


Q: 独立志向か。
A: 士(サムライ)業ですから、自立心は大切にしたいと思っています。ただ、あらゆる社会活動の成果としてその価値が形成される不動産に適切に対処し、よりよい街づくりを進めるためには、各分野の専門家とのコラボレーションが必要と考えますので、独立して一国一城の主になることに拘りはありません。

Q: なぜ、当社を志望したか。
A: それは、どのような不動産鑑定士になりたいのかという、私自身のキャリア・ディベロップメントにも、関わることでありますが、私は、まず、補償や再開発での従前・従後の評価など、地権者の利害に直接関わる、一番しんどい部分で、辛い目を見ながら、しっかりと経験を積んで、足腰の強い、本格派の鑑定士になりたい。
 その上で、将来的には、他の分野の専門家と協力して、再開発全体をコーディネイトできるような、スキルを身に付けていきたいと考えています。
 御社は、補償に高い実績があり、不動産の総合コンサルティング業務を拡充していく方向性にあると聞いていますので、私のこのような人生設計にハマると思いました。
Q: 体力はあるか。
A: 中学・高校とテニスをして、高校では空手も習い、就職してからは気功術。散歩が好きで、大学時代は、小岩井牧場や花巻周辺を歩き倒し、就職してからは、尾道や因島を歩いて半周したり、今は毎週のようにいろんな街を訪ね歩いています。タバコも吸いませんし、健康で体力充分です。

Q: 他の会社に合格したら、どうするか。
A: 元人事部ですので、実感として、就職活動あるいは採用活動は、お見合いと一緒で、ご縁と相性です。私は、この面接の場を通して、御社の雰囲気に共感を覚えましたので、是非、こちらでお世話になりたいと考えています。この片思いが、両思いになることを期待しています。

Q: 大阪労働大学とは。
A: 労働省、大阪府、大阪市の主催による、講習会で、労働法、労働経済、労働福祉の学問的到達点を、企業の人事労務担当者、組合の執行部等を対象に学んで生かしてもらおうというものです。1年間のカリキュラムで、週2回夜間に講義・ゼミが行われ、全16科目全てに論文試験があり、最後は卒業論文を2本提出して、全てに合格した者に、修了証、その中で成績トップの者に、労働大臣賞が贈られます。なお、私の卒論は、「就業形態の変化」「日本の企業社会」という題名で、前者は組織がフラットになってきていると言われている現在にあって、私が勤めていたローランド株式会社がどのような状況にあるのかを論じ、後者は日本人は就業意欲が低いにも関わらず、なぜここまでの成長を成し遂げたのか、この停滞期においてはどのようにしなければならないのかを論じました。

Q: そこで学んだことは。
A: その時期の直前に、社会保険労務士のための勉強を一時期行っておりましたので、学問的には、さほど目新しいものはなかったのですが、回りの受講生との人脈が非常に有効でした。
 ゼミの仲間との情報交換を通して、ローランドになかった人事制度を学べましたし、様々な問題に対して、他の企業ではどのように対処しているのか、勉強になりました。その一部とは、現在も親交がありまして、一人は三菱電機に勤務し、現在中国の工場管理をしています。
 もう一人は、シンクタンクの日本総研にいたのですが、そこを退職し、現在は京都大学大学院で、労働経済を研究しています。
 直接関係のない話になりますが、人の縁は大事にする方で、その京都大学大学院に進んでいる女性から紹介頂いた友達が、私の親友と結婚しました。そんなこんなで、既に私自身3組を結婚に導いておりまして、私の周囲に、自信を持って人に紹介できる友人の多い証左と考え、誇りに思っております。


Q: ローランド株式会社に入社した理由。
A: 今も昔も、「共感」を生む企業を選んでいます。それは、私が考える次の時代を荷う企業であり、そういう成長企業には独特のパッションがありますので、私自身、情熱を傾けて仕事ができますので。実際、私の入社以降、コンピュータに搭載される音源といえば、ローランドのものが主流となりましたし、東証1部上場も果たしました。

Q: そんな良い会社をなぜ辞めたのか。
A: ローランドの中での行き詰まりは特にありませんでしたが、父の経営する不動産会社が駅前 事務所を設けたので、手伝って欲しいとの依頼があり、若いうちは何でも経験と思い、ためらうことなく、ローランドを退職致しました。

Q: ローランドではどんな仕事をしてきたか。
A: 人事部に4年半。営業に4か月。
 人事部では、採用・教育・給与・福利厚生、全てをこなしてまいりました。一通りの実務経験を積みましたので、これから人事マンとして生きていくのであれば、営業という現場を見ておくことが有意義と思い、自ら希望して営業に異動しました。


Q: ローランドにおいて特筆すべき成果を上げたか。
A: コンピュータは社会人になって初めて使うようになったのですが、どうも素養があったらし く、入社2年目にリレーショナル・データベース・ソフトを駆使して採用戦略システム構築しました。その効果として、それまでは人海戦術で常勤スタッフ3名を要していた新卒採用業務が、常勤スタッフ1名で済むようになりましたし、経費も半減致しました。その他にも様々な業務改善を行い、本社内で改善提案ポイント1位(約250名中)で表彰を受けたことがあります。

Q: 営業部門ではどのような成果を上げたか。
A: 配属一月目のOJT期間を除き、全ての月でノルマ達成しました。

Q: 不動産会社では、どのような仕事をしたか。
A: 仲介営業を担当。主に賃貸をやってきましたが、途中で事務所を移転したため、賃貸ができなくなり、父の売買仲介を手伝いながら、更に自己のスキル・アップのため、受験予備校で、宅建模試の作成の傍ら、不動産鑑定士を目指し、勉強しておりました。

Q: もう親の跡を継がなくていいのか。
A: 駅前事務所を設けたときには、賃貸営業をする目的だったのですが、父の性格に合わないことがよくわかったようで、今後は売買オンリーで行くことになりました。それを私が手伝っても良いのですが、私自身、不動産営業をしていく中で、街づくりへの関心が高まって参りましたので、鑑定士資格を取得して、不動産開発の仕事をしていきたいということを、父に納得してもらっています。

Q: 都市開発協会に入社した理由。
A: すぐに鑑定業者に入社するよりも、別な視点から不動産業界や街づくりを眺めてみたいと思 っていましたので、業界団体である都市開発協会に入社いたしました。

Q: 都市開発協会ではどんな仕事をしてきたか。
A: 金融・税制改正の意見書作成、都市再開発関連制度説明会の開催、流通研究会運営、広報、省庁等窓口(建設・大蔵・自治の各省、国土庁、住宅金融公庫、都市基盤整備公団)、調査報告書の作成などを担当してきました。

Q: どのような意見書を作成したのか。
A: 平成12年度の固定資産評価替えに先立ち、同税の評価のあり方を抜本的に見直して頂くべく、公示地価の推移と固定資産税収の推移をグラフ化して、そのアンバランスを指摘した。また、不動産流通税負担を軽減いただくべく、ビル事業をシミュレートして、その不採算性を証明した。

Q: 昨年度、税制改正の目玉は。
A: 住宅ローン控除制度の創設。平成11年・12年に居住の用に供した住宅及びその敷地の取得に係る借入金の一定額を15年に渡り、所得税額から控除できることとされた。
 譲渡損失の繰越し控除制度の住民税への適用とローン控除制度との併用。
 居住用財産に対する各特例での適用要件での床面積上限の撤廃(国税)、など。


Q: 今年度、税制改正の目玉は。
A: 土地に係る固定資産税の実効税率の引下げ、流通税の緩和、特土地の徴収猶予の拡充、証券  化に係る流通税の非課税、ローン債権証券化への住宅ローン控除の適用、個人の不動産所得に係る損益通算の復活、新築住宅・特定優良賃貸住宅への税制優遇措置の拡充、PFI推進税制、ハートビル法認定建築物への固定資産税軽減、建築廃棄物のリサイクル推進税制など。

Q: どのような説明会を開催したのか。
A: 公庫融資説明会、再開発制度説明会。

Q: 最近の再開発の新制度は。
A: 4月 都市開発資金の貸付けに関する法律等の一部を改正する法律
     @ 民間主導の市街地再開発事業への国及び地方自治体による
      無利子貸付制度の創設
     A 事業用地適正化計画認定制度の創設
       虫食い地等低未利用地等を整形・集約化して、民間都市開
      発事業用地とするための計画につき、建設大臣が認定を行い、
      この認定事業区域内の低未利用地(固定資産)と、同区域外
      の認定事業者の保有土地(棚卸資産可、取得期間の条件無し)
      を交換したとき、これに対して次のような税制上の優遇措置
      を講ずる。
       ・100%の課税の繰延べ
       ・流通税の軽減措置
     B 市街地再開発事業と土地区画整理事業の一体的施行制度の
      創設による事業円滑化
     C 事業計画決定前の市街地再開発組合及び土地区画整理組合
      の設立(@との繋がり)
   7月 「用途変更先導型再開発地区計画」の創設
      工業専用地域等の工場跡地等で、将来の用途地域が未確定で
     あっても、「用途変更先導型再開発地区計画」を定め、建築基
     準法48条各項ただし書きにより、用途制限の特例許可を積極的
     に行い、建築物の集積を踏まえ、用途地域を変更することで、
     円滑な土地利用転換を実現する制度。


Q: 都市計画法改正の方向性。
A: 都市施設の立体的整備(駅周辺自由通路、駅前交通ターミナルビル)、都市計画の民間コン  サルタントへの委託など。

Q: 建築基準法改正の進捗状況。
A: 昨年6月に交付され、以下の規定は、今年5月に施行済、仕様規定から性能規定への転換は、来年6月までに施行される。
  @ 指定機関による確認・検査制度の創設
  A 中間検査制度の創設
  B 接道義務の特例・道路内建築制限の特例・建ぺい率制限の特例の
   許可化(@との繋がり)
  C 連担建築物設計制度の創設、など
    複数敷地により構成される一団の土地の区域内で、既存建築物の
   存在を前提に合理的な設計により建築物を建築する場合に、特定行
   政庁の許可により、これら複数の建築物を同一の敷地にあるものと
   みなして、容積率制限や建ぺい率制限等の建築規制を一体的に適用
   する特例制度。空中権売買に道を開くものである。


Q: 住宅品質確保法の現状。
A: 人口減少、環境制約、消費者保護の観点などから、政策はストック重視へ以降してきている。建築基準法の性能規定化と並行して、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が公布され、来年夏に施行予定である。同法の主な規定は次のとおり。
   @ 新築住宅の取得契約において、基本構造部分(基礎や柱など構
    造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分)について10年
    間の瑕疵担保責任(修補請求権等)が義務づけられる。
   A 住宅性能表示制度を創設し、性能評価を客観的に行う第三者機
    関が交付した住宅性能評価書が契約内容として保証されることに     なる。


Q: 投資不動産の時価会計について。
A: 国際会計基準委員会では、現在、有形固定資産に分類されている投資不動産を、独立させて、毎期時価評価を行うべく、基準改正に向けた取り組みをしている。10月末まで広く一般から意見聴取し、12月までに、委員会として採決し、新基準を取りまとめる予定。
 日本公認会計士協会では、経団連、不動協、鑑定協会等から意見聴取を行い、11月には、国際会計基準委員会で、原価主義会計との選択性を提案する見通し。
 一方、同協会は、国際会計基準に従い、固定資産の減損会計と棚卸資産の強制低価法を、国内会計基準とするよう、大蔵省に提言、早ければ来期決算から導入の可能性がある。


Q: 定期借家権の動向は。
A: 今年の通常国会に、自自公共同で「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法案」 が提出され、この秋の臨時国会で審議される予定。これが成立すれば、適正な賃料水準の確保が容易になり、純収益の適正な見積りが可能となることから、不動産の証券化の促進にも寄与する。

Q: どのような調査報告書を作成したのか。
A: 平成11年上期に三大都市圏で供給されたマンションについて、その価格とサラリーマン世  帯の年収との乖離を調査し、新聞発表いたしました。まず、価格は、東京・大阪でやや低価し、名古屋でやや上昇しています。年収倍率は、東京5.39倍、大阪4.38倍、名古屋3.46倍で、ほぼ昭和61年の地価高騰直前の水準に戻っています。
 また、税負担の実体について、会員会社の事例を調査し、建設省に報告いたしました。不動産流通税負担によりビル事業が困難となっている実体、特別土地保有税の徴収猶予制度が、地方自治体の恣意的な運用に任されている実体などを報告し、税務当局、あるいは自治省などにインパクトを持って受け止められ、来年度の税制改正要望に影響を与えています。


Q: そんな良い職場をなぜ辞めたのか。
A: 20代では視野を広げて、30代から専門性を培っていく人生設計でしたので。

Q: 具体的にどういう街づくりを考えているのか。
A: 戸建感覚のマンションを中心とした、道路の広い、公園のある街づくりです。
 この大都市圏において、戸建住宅の存在は社会経済上、著しく不利益です。土地の最有効使用がなされず、地価が十分に下がらないので、一般のサラリーマンにはとても購入できない。
 また、道路は狭く、環境は悪化する一方。今は、個人の資産が余りにも守られ過ぎているので、無駄が許容されていますが、早晩、この状況は変化せざるを得ないと思っています。
 また、不動産営業の経験から、お客様の戸建嗜好の高さをヒシヒシと感じました。逆に言えば、マンションでも、戸建感覚で居住できるもので、戸建よりも安価であれば、十分戸建嗜好のお客様を呼び込めるということです。


Q: 当社を選んだ理由は。募集広告のどこに惹かれたか。
A:(東急不動産)
 国内SPC登録第2号。流通税負担軽減のため、信託受益権をSPCに売却するスキーム。
 都市開発協会時代に、税負担の実体調査を、会員会社に対して実施し、電話によるヒアリングを行ったが、御社経営企画部からは、いつも斬新かつ的確な、通り一遍に業務を行っていては、出てこない要望御回答を頂戴し、業務に対して真摯に取り組む社風を伺い知ることができた。


Q: SPCとは。
A: 昨年9月に施行された「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(いわゆるSPC法)」による登録を受けた特定目的会社のこと。
 不動産の証券化手法(特定の不動産を背景として発行される証券によって直接市場から資金を調達する方法)の一つである。
 証券化手法としては、他に、不動産特定共同事業法に基づく任意組合型、匿名組合型、信託法に基づく不動産信託などが一般的である。
 証券化の意義は、オリジネーターにとって、@ 財務体質改善 A 優先出資証券引受けによるレバレッジ(梃子)効果 B ノウハウの蓄積による新たなフィービジネスのチャンス、などである。
 証券化は、資金調達方法の多様化、キャッシュフロー重視の経営などの経済構造改革の動きに合わせ、今後、制度的な修正が加えられながら、発展していく。
 最近の重要な修正点は、不動産特定共同事業法施行規則の2月の改正で、投資家の最低出資額が500万円に小口化され、また持分譲渡が可能となった。また、9月末改正で、不動産投資ファンド型商品の解禁、すなわち、対象不動産の変更が認められることとなった。その結果、シンジケーション協議会の調べによれば、募集金額は既に前年の3倍を超過している。


Q: デューデリジェンスとは?
A: 最近耳にするようになったデュー・デリジェンス(Due Diligence)は、一般的には「適正評価手続き」の訳で使われている。米国において、投資家が不動産投資を行う場合やその購入資金について金融機関がノンリコ−ス・ロ−ン(融資に伴う求償権の範囲が物的担保のみに限られる貸付)を行う場合に、リスク管理の一環として事前に対象不動産に関する物理的・経済的及び法律的調査を実施することが一般的となっているが、この手順がデュー・デリジェンス(D.D)である。日本においても、金融再生のため政府が進めようとしている『土地・債権流動化ト−タルプラン』のなかでこのD.Dが重要な位置づけとなっているが、そもそも不動産取引におけるD.Dとはどのような内容を持つものであるのか、そのアウトラインをここに紹介する。
  ○ 典型的な例として収益用不動産を取引きする場合、買主側は投資
   コンサルタント等がコーディネートする弁護士、会計士、不動産鑑
   定士あるいは建物・設備に関する技術者等必要な専門家の力を借り、
   自己責任の原則の下に対象不動産の価値に影響を及ぼすと見られる
   あらゆる事実関係の調査を行う。買主側として当然に行うべきこの
   調査がD.Dである。
  ○ 売主と買主は、このD.Dの結果に基づき売買価格等の交渉を行い、
   不動産売買契約を結ぶ。D.Dを怠った買主は、売主の瑕疵担保責任を
   追及しても受け入れられない場合もあり、また、D.Dを停止条件とし
   た契約の場合は、その結果により売買契約が解除されることもある。
   買い手側のリスクをできるだけ回避するため、当然に、誠実に、行
   われるべき重要事項ということになる。
  ○ このほか、不動産を証券化する場合の格付機関によるD.D、あるい
   は売主が独自に行うD.Dもある。


Q: これまでの仕事内容
A: 人事部。コンピュータ・ミュージック・システム営業。不動産仲介営業。宅建模試作成。税制・金融要望書作成、調査報告書作成、情報収集。

Q: 自分の専門分野
A: 不動産に関する法律知識。

Q: 仕事上の実績
A: 採用支援システム、OB会管理システム。

Q: 人に絶対負けないもの
A: 向上心。

Q: 上司に誉められたこと
A: 上司の意思を正確に把握し、状況に対して的確な判断を下して対処するので、安心して仕事を任せられる。

Q: 表彰歴
A: 改善提案本社1位。労働大学労働大臣賞。

Q: 心に残る成功談、失敗談
A: 成功談は、外国人入居。入居希望者、大家さん双方の不審感の打破。
 失敗談は、3日で退去。


Q: 持っている資格
A: 障害者職業生活相談員。宅建。鑑定士2次。

Q: 語学力
A: 英語日常会話。

Q: 専門分野以外で得意なこと
A: 文章力。趣味の童話創作。披露宴の司会。

Q: 自慢できる人脈
A: 不動産三田会。友人も、筑波大助手、銀行員など多方面に渡る。

Q: 転職を決意した理由
A: 鑑定士として仕事をしていく上で、大きなプロジェクトに携わりたい。

Q: どんな仕事がしたい?
A: 街づくり。

Q: 将来の目標
A: 首都圏改造。

Q: これまでの経験をどう生かすか
A: 営業としてお客様と触れ合ってきた目。業者仲間からの情報収集。

Q: 自分のどんなところが向いているか
A: キメ細かい対応。

Q: 業界に興味を抱いたきっかけ
A: 賃貸マンションの質の劣悪さ。

Q: これまでの接点
A: 都市開発協会で、講習会を開き、講師として、鑑定士の先生にお越しいただいた。

Q: 最近の業界内のできごと
A: 不動産の証券化、投資不動産の時価会計、米国の資産評価会社の日本進出。

Q: 業界の成長性や将来性
A: 消費者ニーズに対応した企業が勝つ。